尖圭コンジローマ(コンジローム)の原因や主な症状とは?
20代の男女を中心に感染者が増えている「尖圭コンジローマ」。特に女性の患者数が多くなっていると言われています。原因となるウイルスに感染しても必ず発症するとは限らず、きちんと治療を受ければ完治する病気ですが、稀にがんの引き金となることもあるので注意が必要です。感染原因や主な症状について説明するので、ぜひ参考にしてください。
尖圭コンジローマの感染原因
<性行為>
尖圭コンジローマの原因となるのは「HPV(ヒトパピローマウイルス)」と呼ばれるウイルスで、主に性行為によって感染します。
皮膚や粘膜の小さな傷からも侵入するので、コンドームを使っているからといって油断は禁物! また、オーラルセックスによって口の中に感染するケースもあります。
<母子感染>
母親が尖圭コンジローマに感染したからといって、一般的に胎児への影響はないと言われています。
ただし、これはあくまでも出産までに完治できた場合の話。赤ちゃんの通り道である産道にイボができていれば、生まれてくる時に感染する可能性は十分にあります。
これを防ぐには、きちんと妊婦検診を受け、自分の体の状態を正しく把握しておくことが大切。万が一発症した時には、すぐに治療を受けるようにしましょう。
尖圭コンジローマの主な症状
尖圭コンジローマは視診によって判断できる性感染症ですが、それは、感染の起きた部位に特徴的なイボ(鶏のトサカや、乳頭に似たもの)ができるからです。
痛みやかゆみはほとんどありませんが、イボは放っておくと徐々に大きくなり、数もどんどん増えていきます。
イボができるのは、男性なら亀頭や陰嚢、冠状溝、肛門周辺、肛門内など。包茎の人の場合は包皮の内側にできることも多く、それだけ感染しやすいと言われています。
女性の場合は、大小陰唇や膣内、子宮頚部、肛門周辺、肛門内など。男性のように性器が露出しておらず、発見が遅れやすいので、性行為をする機会のある人は時々鏡を見たり、婦人科で膣鏡入れてもらって診てもらいましょう。
尖圭コンジローマの治療方法
<塗り薬>
「イミキモドクリーム(商品名:ベセルナクリーム)」を1日おき、週3回使います。6~10時間後に洗い流す必要があるため、就寝前が良いでしょう。
副作用として、多くの人に赤みやびらん、表皮の剥離などがみられますが、あまり症状がひどい場合は休薬し、医師に相談してください。
<冷凍療法>
マイナス190~196度の液体窒素に浸した綿棒をイボに当て、凍結・壊死させる治療法。できたばかりの小さなイボにはよく効くのですが、比較的再発が多い方法です。
<レーザー>
炭酸ガスレーザーを使って蒸散させ、イボを取り除く治療法。局所麻酔をするので痛みはありませんが、治療後に手術痕が残ることがあります。
また、蒸散をする際に周辺へウイルスが散らばる可能性があるため、別の方法で治療を行った後、再発防止策としてレーザーを使うケースも多いです。
<電気焼灼>
高周波電流を流したメスを使い、イボを焼いて取り除く治療法。レーザーと同じく、局所麻酔をしてから行います。
イボの表面のみを焼灼しても効果が薄いので、広い範囲を深く焼灼する必要があり、そのために手術痕が残ることが多いです。
<外科的切除>
リング鉗子(挟む部分がリング状になった医療器具)を使い、イボを切り取る治療法。イボの根元に麻酔を打ってから行います。
手術痕が残る可能性はそれほど高くありませんが、切り取る際に出血するので、電気メスなどを使って止血をする必要があります。
尖圭コンジローマの主な症状はイボ! 早期発見で完治させよう
尖圭コンジローマは非常に再発率の高い性感染症なので、治療によって一度イボを取り除いたからといってそこで完全に治るとは限りません。しかし、早期に発見してすぐに治療をすればそれだけ早く治りやすくなるので、体の変化を見逃さないようにしましょう。
ほとんどの場合「低リスク」と呼ばれる良性のウイルスですが、稀に「高リスク」と呼ばれる悪性のウイルスの場合もあるので、くれぐれも放置は厳禁です。
不安な時は、HPVの検査をしましょう
東京近郊にお住まいの方は、性病専門クリニックで不安と悩みを一気に解消しましょう。
遠方の方でも検査キットで簡単に検査ができます。